2021年最後のご挨拶
レポート事務局の朝原です。いよいよ2021年も終わりを迎えています。
昨年に引き続き、新型コロナウイルスが流行する中での1年となりました。
昨年の春にはあらゆるものが自粛となるようなこともありましたが、今年はそれぞれに経験を積んだ結果、ある程度は落ち着いた形で対応することができたかと思います。とはいっても、国や大阪府などからの要請に一喜一憂しながら、催しの開催を見計らうようなこともありました。
そんな中ではありますが、3月の新メンバー加入、4月からの霜乃会プラスの定例化、9月には国立文楽劇場での霜乃会本公演、そこから引き続いての竹本碩太夫が中心となっての北海道でのワークショップ&地方公演……と、霜乃会として着実に歩みを進めることはできたかと感じております。
特に本公演は「奉芸疫禍転福為(ほうげい わざわいてんじてふくとなす)」と題し、疫病流行下だからこその芸の力、役割について考える機会となりました。
芸にとっては厳しい時期はなかなか終わりませんが、今年、私は、芸の役割は、世阿弥『風姿花伝』の以下の言葉に尽きていると感じるようになりました。
秘義にいふ、『抑、芸能とは諸人の心をやはらげて、上下の感をなさんこと・寿福増長の基、遐齢延年の法なるべし』『きはめきはめては諸道悉くに寿福増長ならん』となり。世阿弥『風姿花伝』「奥義」より
芸能は、あらゆる人々の心をやわらかにし、感動を生み出すもの。そしてそれが、よく生きることに繋がること。
600年も前の人がこんな言葉を書き残していることに改めて驚きますが、時代を越えて、そしてコロナ禍の中でも変わらない、芸というものの役割ではないでしょうか。
私自身は実演家ではありませんが、こうして芸の一線で生きる人たちと一緒に歩むことができる幸せを改めて感じています。
翌年は、さらに霜乃会がより良い歩みを行っていけるよう、今まで以上に努力して参る所存です。
今年1年、それぞれの催しにご来場いただきました皆様、お世話になった皆様、そして霜乃会のメンバーの皆様、本当にありがとうございました。
新年も何卒、霜乃会をよろしくお願い申し上げます。