霜乃会同人 講談:旭堂南龍 落語:桂紋四郎 浪曲:京山幸太 文楽:竹本碩太夫・鶴澤燕二郎 茶道:松井宗豊 能楽:林本大・今村哲朗

霜乃会プラス「茶道・松井宗豊に聞く」レポート

レポート

霜乃会事務局の朝原です。

令和4年6月9日(木)18:45~、大阪市中央区北浜の青山ビル地下1階「北浜RONDO」にて、今年6回目の霜乃会プラスを開催させていただきました。

霜乃会プラスは、それぞれの上方伝統文化および芸能で活躍している、霜乃会の実演家の、パーソナルな部分からその芸能の魅力を探る講座。

前回の京山幸太さんの回からは、話を聞くメンバーが1周しましたので、同じことをするのも「芸」がない……ということで、少々趣向として、お話を聞く本人から、昔の写真などを持ってきていただき、そこから話を広げる形を取らせていただいています。

今回は茶道裏千家業躰の松井宗豊さん。

つかみの写真は…なんと20歳の時の写真! ご宗家のもとに入門してまだ年が浅いところで、裏千家の社団法人・淡交会の勧誘パンフレットに使われたらしいのですが……

いかにも書生してますというか、20年前という時代を感じるような、いろいろな意味で面白い写真でした。

途中には、文楽の研修中に松井さんにお稽古を受けた、竹本碩太夫さんにも登場してもらい、お稽古の様子をうかがったのですが、文楽の厳しい研修の中での「オアシス」だったという話でした。

文楽の研修の中に、お茶の稽古があるのは「立ち居振る舞い」の訓練の一環とのこと。そこで、進行役の桂紋四郎さんが、落語での立ち居振る舞いを実際にやってみて、松井さんに直してもらう…という形を取ってみたのですが、これがかなり細かく、いろいろ直されるのが、(見ている分には)面白かったです。

とはいえ、「必ずしもお茶での作法が万能ではない」「落語には落語の作法があるはず」という松井さんの言葉は大切なことを示していると思いました。

最後は、実際に持参していただいた風炉の灰を整える実演をしていただきました。普通のお茶会ならば、お客さんを向かい入れる際には終わっているところでもあり、なかなか珍しい部分かと思います。実演の他にも、別の灰の整え方の写真などを示していただいて、より茶の湯に対する知識……というよりも興味を深めて、今回の霜乃会プラスは終了しました。

お茶はそもそもが「飲食」なので、霜乃会に参加している各芸能文化の中でも、もっともコロナの影響を受けたものかもしれません。そんな中でも、お茶の世界観の良さ・広さを、気負わず感じる松井さんのお話の良さを改めて感じる時間となりました。

20220609霜乃会プラス

20220609霜乃会プラス

次回の霜乃会プラスは7月14日(木)18:45~から、大阪市中央区・青山ビル地下1階の北浜RONDOにて、能楽師の林本大さんのお話を予定しております。

林本さんはご自分でも、能meetsといった形の講座を多く開催されていますが、それだけに、人から聞かれる形の講座はまた違う趣向となるのではないかと思っております。

まだ、空きはございますので、是非ともご来場お待ちしております。

20220714霜乃会プラス 林本大

20220609霜乃会プラス
20241005-06霜乃会本公演 東京公演